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姉兄とママチャリでおばあちゃんの家へ

1988年

とても天気がいい秋の休日、昼近く。
最近買ったばかりの自転車に乗りたくてウズウズしている私に姉と兄が提案をした。 
     「おばあちゃんの家まで自転車で行こう!」
私の家からおばあちゃんの家までは車で約20分。
時速60キロ平均として約20キロ。
往復でも40キロは超える、ちょっとロングツーリングである。
ましてや、(たぶん)小4の子供な私には到底日没までには走りきれない距離。
しかし、何を勘違いしたのか
もしくは自分の足を車か何かと同じ馬力があると思い込んでいたのか
はたまた、「そんなん4時間くらいあれば楽勝やで」
という姉達の意見を鵜呑みにしたのか
私は生まれて初めてのチャリツアーへと乗り出した。

かごの中にはお気に入りの赤い水筒に温かいお茶をいれて、まずは24号線を南下。
蛇穴を抜け、室の交差点を快走して通り越し、一気に風の森峠を登っていく。
風の森峠には、とても大きな銀杏の木があって
車やバスでおばあちゃんの家に行く時は必ず見るようにしていた。
でも、帰りもその銀杏の前を通るという事で、行きは素通りする事に。
その後すぐに下りに入り、ずっと山沿いに走っていくのだけれども
東佐味の「もしピエ」(ラブホ)あたりで、山の中に向かって左折する抜け道があり
その道を通ると、途中に牧場などがあって
これもまたお気に入りの道なのでそこを通る事にした。
くねくねとした山道を登ったり下ったり、車と対抗したり、木の実を探したり・・・
JRの線路を横切り、本格的な登りに突入。
でも、そのあとには大好きな牧場が待っている!!
日ごろから農作業をよく手伝っていて体力にはかなり自信があったし
前ですいすい走る姉達に負けたくないのとで
それまでの疲れも気にせず、ガンガン走る走るはしる・・・
東阿田に近いところでやっとお気に入りの牧場に到着。
ほとんどが黒毛の牛。
牛は本当にのんびりと広い丘の上を歩いたり寝転んだりしていて何時間いても飽きない。
それまでの快ペースで少し疲れていた私たちは多めの休憩を取っていた。
といっても、おばあちゃんの家はそこから10分足らずで着く距離にあったのだが・・・。
行き方としては、おばあちゃんの家の表ではなく裏へ行く道を通っていて
家の裏山にあるあぜ道を通ると、とても近道になるので
(たぶん)強引に自転車でジャリジャリゴツゴツの道を通り
裏からおばあちゃんの家に辿り着いた。
・・・知らない人が見たら強盗としか見えないような・・・・・・。
この時点で15:00過ぎ。行きだけでゆうに3時間はこえていた。
休むまもなく、それこそトイレ休憩のみでおばあちゃんの家を後にした。
かごの中には、おばあちゃんにもらったお土産がたくさん・・・。


実は、帰りは風の森峠までの記憶がなくなってしまいました。
どこを通ったかは忘れたけれども、日は傾き、まだ秋になりたて位だったのに
16:00をすぎると急に冷たい風が吹き始め
あまりの寒さに皆が無言だったのを覚えている。
そして、風の森峠の銀杏の木で休憩をした。
銀杏はやっぱり大きくて、でも、寒すぎて色んな事がどうでもよくて
ただただ早く帰りたいと思った。
すぐに休憩をやめ、チャリに乗り始めた。
そこから御所の町までの下りが、洒落にならない位に寒くて
私は大声で(たぶん)泣きながら走った(と思う)。
そんな私を姉と兄は、逆切れする事もなく、励ましてくれて・・・
18:00 やっと家に着いたのでした。
この時、小さな私の頭の中で
     「二度と自転車で遠出なんかするもんかっっ!!」
と思った事は、確かである。
 
・・・なのにねぇ?(笑)

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